派遣の「正社員登用あり」は嘘?紹介予定派遣で正社員になれる確率は30%

「正社員登用あり」のほとんどは嘘って本当?

もしかして騙されてる?

派遣の求人でよく見かける「正社員登用制度あり」という文言。

これに対して、「正社員になれない」「騙されてる」という意見を多く見かけます。


この記事ではそんな「正社員登用あり」にまつわる疑問に、派遣から転職し現在人材業界で働く人間として感じる実態を紹介します。

この記事を書いた人
  • アラサー社会人です。
  • 新卒でテレビのADに。楽しかったが体を壊したため退職 → 自動車部品製造工場で1年・インバウンドメインのコールセンターで2年派遣社員として働く → 人材系の会社で正社員に
  • 自分の経験・企業からの意見・お仕事を探している人の声などを参考に、派遣から正社員を目指すあなたを応援するブログ「はけちぇん!」を運営しています。

派遣の正社員登用あり求人は嘘?

結論からお伝えすると、派遣の「正社員登用あり」で正社員になれる確率は高く見積もって25%と言ったところです。

(あくまで個人の意見です。)

「正社員登用あり」はあくまで正社員になれる可能性がありますよというだけなので、嘘とまでは言わないんじゃないかというのが僕の見解。


また、契約社員の「正社員登用あり」に比べたら、派遣の「正社員登用あり」の方が信憑性は高いんじゃないかと考えます。

理由として、契約社員から正社員にするのはほぼ確実に会社としてコストが増えますが、派遣社員から正社員への転換はコスト的にあまり変わらないことが多いからです。


ということで派遣の「正社員登用あり」の求人は嘘じゃない!と言っても、大事なのは実際に正社員になれる確率

2つのパターンがあるので、まずは派遣の「正社員登用あり」という求人について解説します。

派遣の正社員登用2パターン

AとBを持つ男性

派遣の「正社員登用あり」には大きく分けて2種類の求人があります。

  • 最初から、将来的に派遣先での直接雇用を想定している紹介予定派遣。
  • 企業から直接雇用の申し入れがあるいわゆる引き抜き。

紹介予定派遣の場合の正社員になれる確率は30%程度

それ以外の「正社員登用あり」は、20%程度だとデータ上では確認できます。


さっそく、紹介予定派遣の正社員になれる確率から見ていきましょう。

紹介予定派遣の正社員になれる確率

参考にさせていただいたデータをまずは御覧ください。

紹介予定派遣の状況 表
引用元:令和元年度 労働者派遣事業報告書の集計結果

令和元度の紹介予定派遣で派遣された派遣スタッフの人数が31,233人。

そこから実際に派遣先での直接雇用に結びついた人数が16,323人となっています。

つまり、紹介予定派遣で派遣先の直雇用になった方は全体の利用者の52%ということです。


いいじゃん紹介予定派遣!

2人に1人正社員になれるなら頑張るよ!!

というあなた、注意が必要です。

紹介予定派遣は、派遣先の直雇用が前提というだけであって、正社員が前提ではありません。


どういう意味かというと、次のグラフを見てください。

転換後の雇用区分 グラフ
引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「派遣先での直接雇用転換」

紹介予定派遣のデータは、グラフの一番左。

このグラフからわかることは、紹介予定派遣で直接雇用になった際の雇用形態の割合です。

紹介予定派遣で直雇用になったうちの約40%は正社員じゃないことがわかります。


実際に紹介予定派遣で正社員になった方の割合はというと約30%です。


また、紹介予定派遣に関して注目すべき点はもう1つあります。

それは、選考が厳しいという点です。


1つ目の表を見てわかるように、紹介予定派遣の申込み人数から実際に派遣された人数は約37%になっています。

これには辞退した人も含まれていると思うのですが、紹介予定派遣の場合は選考で落とされる人がいるのも事実。

ふつうの派遣と違い、紹介予定派遣は将来的にその企業の直雇用になる前提があるため、派遣先が面接や履歴書の提出を求めることができます。


紹介予定派遣は派遣というよりも、試用期間の長い直雇用就活、と思った方がいいかもしれませんね。


それなら始めから正社員転職するわ!という方はこちらの記事もチェックしてみてください。

【2023年最新】派遣から正社員の転職で使うべき転職サービスを徹底解説

【2023年最新】派遣から正社員の転職で使うべき転職サービスを徹底解説

紹介予定派遣以外の「正社員登用あり」(引き抜き)

紹介予定派遣以外の「正社員登用あり」に関しては、いわゆる引き抜きの可能性がある求人という理解でいいでしょう。


これは「紹介予定派遣の正社員になれる確率」でも引用させていただいたグラフですが、この真ん中の欄が通常派遣から直接雇用転換(引き抜き)後の雇用形態を表したものとなっています。

派遣先で直接雇用転換後の雇用区分 グラフ
引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「派遣先での直接雇用転換」

約60%は正社員以外の雇用形態だということがわかりますね。

それでも38.1%が正社員ということは、悪くない数字のように思えます。

ただ、これはあくまで引き抜きの声が掛かった人の中での割合。


引き抜きで直接雇用に転換した人の割合を見てみましょう。

派遣先への直接雇用転換の有無 表
引用元:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「派遣先での直接雇用転換」

45%が引き抜きでの直接雇用転換ありと回答しています。

45%の一般派遣社員が直接雇用に転換し、そのうち38%が正社員となったという計算に。

つまり、全体の17%は紹介予定派遣でなくても正社員になっているということです。


また、派遣元の会社に何も言わないで契約を終了し、間を空けずに派遣先で直接雇用になっている人も一定数いると思います。

そのため、実際はもう少し多いのではないかというのが僕の意見です。

派遣の「正社員登用あり」嘘か本当か

検索をする男性イメージイラスト

個人的には、派遣の「正社員登用あり」は本当だという意見です。

ただし、それにはあくまで本人の努力あってこそ。

結局まじめに働いて貢献している人だけが、派遣から正社員になることができるのではないでしょうか。


とはいえ、まじめに働くのが馬鹿らしくなってしまうようなひどい環境の派遣先があるのも事実。

正社員登用を盾に横暴な態度を取る上司に、

上司
上司

それじゃ一生正社員にしないぞ

のような脅しを受けている人を見たことがあるのも本当のことです。


そんな環境にいる方がもしいたら、別の派遣先や、正社員転職に挑戦してみるのをおすすめします。

派遣から正社員になる方法は1つじゃないですからね!

派遣から正社員になる方法を転職から引き抜きまで徹底解説!

派遣から正社員になる方法を転職から引き抜きまで徹底解説!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA