正社員型派遣ってどうなんだろう、派遣より待遇良さそう!
そんなあなたに正社員型派遣の仕組みとメリットデメリットを紹介!
検索しようとすると1番に「正社員型派遣 やめとけ」と出てくる雇用形態ですが、実際に働いている人がいる以上おすすめなケースが存在するのも事実。
今回は、そんな正社員型派遣についてそのデメリットやリスクを詳しく解説した上で、どんな人にはおすすめなのか紹介していきます。
結論として、正社員型派遣は正社員と派遣の中間のような働き方で、未経験の業界にとりあえず挑戦してみたい人にはおすすめとなっています。
キャリアアップを目指している方なら、正社員が1番だとは思うけどね!
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【2023年最新】派遣から正社員の転職で使うべき転職サービスを徹底解説では、さっそく正社員型派遣の仕組みから見ていきましょう。
- アラサー社会人です。
- 新卒でテレビのADに。楽しかったが体を壊したため退職 → 自動車部品製造工場で1年・インバウンドメインのコールセンターで2年派遣社員として働く → 人材系の会社で正社員に
- 自分の経験・企業からの意見・お仕事を探している人の声などを参考に、派遣から正社員を目指すあなたを応援するブログ「はけちぇん!」を運営しています。
正社員型派遣とは
正社員型派遣の仕組みとメリットを紹介します。
似たような就業形態があったり、自分がどの会社と雇用関係にあるのかなど、わかりにくいこともあるのでしっかり確認してみましょう。
正社員型派遣の仕組み
正社員型派遣とは、派遣元会社の正社員として雇用契約を結び、そこから取引先の企業に対して派遣される形態です。
常用型派遣や無期雇用派遣とも呼ばれています。
正社員と同様に、社会保険や年金・有給休暇などの福利厚生をしっかり受けられることが特徴です。
また、基本的に派遣元会社の無期雇用となるため、雇用に安定性があるのも特徴の1つ。
似ている形態に「出向(しゅっこう)」があります。
出向は、
- 出向元会社+出向先企業の両方とも労働契約を結ぶ在籍出向 と、
- 出向元会社との労働契約は解消して出向先企業とだけ契約を結ぶ転籍出向
の2つがあります。
いずれにせよ、自分が実際に働いている企業との契約があるのが正社員型派遣との違いです。
正社員型派遣は、自分が正社員として所属している会社(派遣元)と、実際に働いている会社(派遣先)が違うという雇用形態になります。
正社員型派遣のメリット
そんな正社員型派遣にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下のようなことが挙げられます。
- 正社員よりは待遇の低いことが多いものの、ボーナス(賞与)が出たり退職金があったりするなど、通常の派遣に比べて金銭面で優遇されている。
- 契約期間の決まっている有期雇用の派遣よりも雇用が安定しやすく、休業時の補償も手厚い。
- 職歴として正社員扱いのため、転職の際に有利になりやすい。
派遣先企業や派遣会社としても長期就業が見込めて嬉しいことから、サポート体制がしっかりしていることが多いのもメリットですよね。
正社員型派遣のデメリット
一方で、正社員型派遣には明確なデメリットもいくつか存在しています。
このデメリットを知らずに働いてしまうと、後から後悔してしまうこともあるのでしっかりチェックしておく必要があります。
具体的にはこんな感じ。
- 正社員と比べた際に待遇面で不遇なことが多い
- キャリアアップの見込みが薄い
- 帰属意識が薄くなる
- 雇用の安定性にも疑問が残る
詳しく見ていきましょう。
正社員と比べた際に待遇面で不遇なことが多い
派遣社員と比べると優遇されているけれど、正社員と比べてしまうとちょっと物足りない……。
正社員と同等の待遇を受けられるとはいえ、実際には残業代や賞与などの手当が低くなる場合が多く待遇に物足りないケースが多いのが実情。
賞与などは特に、正社員と比べると雀の涙ほどだったり、時にはない場合もあります。
また、残業などや休日出勤・お休みの取りやすさなどは、派遣先の会社次第になってしまいます。
キャリアアップの見込みが薄い
正社員といっても、あくまで雇用契約を結んでいるのは派遣元の会社とだけ。
派遣先の企業からすれば、一般の派遣と何も変わらないことがほとんどです。
そのためキャリアアップは求められていないことも多く、責任感のある仕事が任されることはなかなかありません。
帰属意識が薄くなる
派遣先現場でいくら頑張ったとしても、派遣料金が変わらなければ給与がグッと高くなったりするわけではありません。
派遣先企業の業績が好調で「今年のボーナスは高いらしい!」と話題になっていても、派遣で来ている自分には関係なかったり、頑張りが反映されにくい実情があります。
そのため同じ場所で働いていても、派遣で来ている自分と現場の社員では温度感が違ったりモチベーションに差があったりしがち。
会社の一員として頑張るぞ!という気持ちにどうしてもなりにくいのはデメリットですよね。
雇用の安定性にも疑問が残る
正社員型派遣は派遣先企業からしてみればあくまで派遣のため、就業している部署を丸ごと外注にする(他の会社に依頼する)ということになった場合など、ふつうに派遣切りがあります。
(実際そういったケースを何度か見たことも……)
別現場の紹介は義務付けられているため、すぐに他の職場を提案してはくれますが、有期雇用の場合と違い正社員扱いのため、就業先や休日の曜日などを選ぶことはできません。
希望を出すことはできるけどね……
ちなみに新しい現場を断ると、最悪業務放棄扱いで解雇される可能性もあります。
正社員型派遣のデメリットまとめ
- 正社員と比べた際に待遇面で不遇なことが多い
- キャリアアップの見込みが薄い
- 帰属意識が薄くなる
- 雇用の安定性にも疑問が残る
こういったデメリットから、正社員型派遣は正社員としてのキャリアアップもしづらく、派遣としての自由度も低いため「やめとけ」というネットの声があるのでしょう。
一応後で詳しく紹介する正社員型派遣がおすすめなパターンも個人的にはあります。
ただ、もし正社員型派遣で働くときはデメリットをしっかりと理解することが本当に重要です。
正社員型派遣と他の雇用形態の比較
正社員型派遣は、正社員と派遣社員の中間のような形態だとわかってもらえたハズ。
次はより具体的に、一般的な正社員や派遣社員と比較して詳細を見てみましょう。
正社員との比較
正社員と比較すると、正社員型派遣は以下のような違いがあります。
待遇面の格差
正社員型派遣は正社員と同じように給与が支払われますが、年次有給休暇やボーナスなどの待遇が不利な場合が多いです。
この差は長く働けば働くほど、より顕著になりやすい点でもあります。
キャリアアップの見込み
正社員型派遣では、正社員と同じように社内での昇進や異動があることが少ないため、キャリアアップの見込みが薄いといえるでしょう。
新人の育成担当になったからと言って、上がる給与は微々たるもの。
それに、他の現場に行けばまた0からのスタートになってしまうことがほとんどです。
雇用の安定性
正社員型派遣は派遣元の会社とは無期雇用になりますが、派遣先とは有期の契約で定期的に更新していくというパターンがほとんどです。
何かのきっかけで契約が終われば、自分に合った派遣先を紹介してもらえるかどうかは不確定要素が高く、雇用の安定性には疑問が残ります。
有期雇用派遣社員との比較
有期雇用の派遣社員と比較すると、正社員型派遣は以下のような違いがあります。
待遇面の優位性
正社員型派遣は有期雇用の派遣社員と比べて待遇のいいことが多いです。
正社員型派遣は一定の待遇面では正社員と同等であり、その点では派遣社員よりも優位性があるといえます。
派遣元の会社によるところが大きいので、実際に従事する案件内容だけでなく、会社の情報もしっかり確認することが重要です。
契約期間の違い
派遣社員は派遣元の会社との契約期間が決まっており、期間が終了すれば更新か契約終了かになります。
正社員型派遣は、派遣先との契約期間が決まっていることが多いものの派遣元の会社とは期限のない無期雇用のため、基本的に次がすぐ用意されています。
また、休業中に関しても契約が切れることはなく、補償もしっかりあるため安心です。
正社員型派遣がおすすめのケース
やめとけという声も多い正社員型派遣ですが、個人的にこういう場合ならおすすめというケースもあります。
それは、未経験の業界で働きたいときです。
未経験の業界に正社員で入ろうとする場合、実務経験のないことで高いハードルにぶつかってしまうことが多々あると思います。
そんな時に正社員型派遣なら、一般的な派遣社員よりも良い待遇かつ正社員という職歴で、業界の経験を積むことができます。
また、派遣先が変わるごとに派遣元の会社が変わることもないので、履歴書に書く職歴が多くならないですし、社会保険や有給も引継ぐことができます。
正社員よりも業界に入りやすく、正社員扱いとして実務経験を積んで職歴ができる、そんな風に使うこともできるのが正社員型派遣のいいところです。
ただしこれは、派遣先が変わっても経験値を積むことのできる業界に限ります。
例えば工場のラインなどでは、派遣先が変わるとやることがガラッと変わってしまいます。
正社員として働くときにも同じことが起こり得るので、これではたいした実務経験にならないことがほとんどです。
しかし、エンジニアやコールセンターなら、現場が変わってやることが変わっても本質的な部分は通ずることが多いため、自分の経験としてスキルの幅を広げることができるはずです。
いずれ正社員として転職を成功させるために、実務経験を積む目的で働く場合、正社員型派遣は1つの選択肢になるのではないでしょうか。
正社員型派遣を選ぶ前に考えるべきこと
正社員型派遣を選ぶ前には、自身のキャリアプランや将来の展望などをよく考える必要があります。
正社員型派遣を選ぶ前に検討するべきポイントはこんな感じ。
- 自身のキャリアプラン
- 派遣元会社の選定
自身のキャリアプラン
自身が目指すキャリアアップやスキルアップの計画を持っている場合には、正社員型派遣で働くことは向かないかもしれません。
正社員型派遣は無期雇用となりますが、それはあくまで派遣元での話。
定期的に仕事が変わることもあるため、長期的なキャリアアップを考える場合には適していない場合があります。
また、従事できる仕事の内容に関しても、派遣の範疇を超えるものではありません。
ただし、中にはさまざまな現場で実務を積むことでスキルアップできるものもあります。
正社員型派遣を選ぶ際には、自身のキャリアプランにプラスになるかどうかしっかり考える必要があるでしょう。
派遣元会社の選定
いかに正社員雇用だとしても派遣である以上、派遣先の案件が終了した場合の「もしも」を考えて働き始めることがおすすめ。
派遣元会社によって事務系に強かったり販売に強かったり製造に強かったりIT系に強かったりなど、得意とする分野が違います。
タイミングにもよるでしょうが、自分の働きたい業界に強い会社なら異動する場合もスムーズですし、ミスマッチングを防げます。
せっかく正社員として雇われるわけですから、有給休暇や社会保険、賞与など、派遣先が変わったとしてもすぐに派遣会社を変えるのではなく、福利厚生を使い倒すべきです。
正社員としての職歴も長くなりますしね。
そのためには、最初からしっかりと派遣元会社を選定することが重要です。
いい案件があるからここにきーめた!で決めると、いざ案件が終了したときに合わない選択肢しかなくて困ることになりかねませんよ。
正社員型派遣を正しく理解してキャリアアップを目指そう
ということで、巷でよく「やめとけ」と噂されている正社員型派遣について解説してみました。
正社員型派遣は一見すると正社員と同様の待遇や福利厚生が受けられるように見えますが、実際には多くのリスクやデメリットがあります。
- 正社員型派遣は待遇が悪く、雇用の安定性も疑問が残る
- キャリアアップや将来の展望を考える場合はしっかり考えてから始めないと後悔する
- 帰属意識を持ちづらく、モチベーションを上げにくい
一方で、正社員という雇用形態で未経験の業界に挑戦できる、などメリットもあります。
正社員型派遣を選ぶ時には自身のキャリアプランや将来の展望などをよく考えて判断することが重要です。
自分に合った派遣会社・自分に合った雇用形態を選ぶことで、より充実したキャリアや生活を実現することができるハズ。
この記事で正社員型派遣への理解が深まり、あなたの選択の手助けになったら幸いです。
最初から正社員で業界に挑戦できればベストかもしれないけどね!
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